アトリの空と真鍮の月のこと
アトリの空と真鍮の月感想などです。
その1 前段・プレイ中に考えた事とか
その2 輩人と文乃のこと
その3 主題歌のこと
その4 構成のこと
その5 身勝手に文句をつけたり
その6 始まりの終わり
その1 前段・プレイ中に考えた事とか
な 長い。
まず何より、話が途方もなく長いです。
それゃ「前作を遥かに超えるシナリオボリューム」って書いてありますけど、
長ければいいってもんじゃないだろう普通。
とりあえず音声をオフにして進めていますが、まともに聴いて回ったら何時間かかるのか。
「青空」も当時にしては字数の多い作品だったようですが、
あれはあれで随分よく纏めていたのだなあと思い返しました。
現時点ではスタート地点に辿り着いているかさえ覚束ないのでわかりませんが、
なんか料理対決とか農家の手伝いとか「女達の憂鬱」みたいな話が延々と続いています。
象徴っぽい降りが散見されるので本筋のシナリオに関わってくるはず……と信じたい。
今の所は唐突で冗長にしか感じませんが果たして。
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最初だけ触った感想はこんな感じ。
#堂々と文乃がメインで出てくるとは思ってなかったので箱見て驚愕。
 ちゃんと同じ声優なのは偉いと思いました。
 おそらく大多数のプレイヤーが最初に攻略するであろうシナリオ(対象かどうか
 よくわかりませんが)、思い入れが強いぶん今後たくさん文句を言うと思いますが
 そういうのも全部込みで良いのです。また逢えた事に価値があるのです。
 お帰りなさい。
#最初のムービーがすごい。
 (たぶん)実写をうまいこと混ぜ込んだ、たいへんきれいな作品だと思いました。
 CGの演出というんでしょうか、ああいうのを一体いつどこで作り込んだのか。
 頑張ってるなあ。
#微妙にハズし気味。
 なんか若い人に受けようとしているのかよくわかりませんけど、
 たまに中途半端に萌えアニメみたいな描写が混じってたりして
 「無理すんな」みたいな感じがスゴイします。
 「青空完全版」の時も思いましたが、パッケージの宣伝文句に
 「ヒロインは全員処女で〜アブノーマルなHシーンも満載!」とか
 わりと見ていてつら苦しかったりして、このところTOPCATの営業方針はなんかおかしい。
 定まったアティテュードが見えないのは自分が想定対象外の顧客だからでしょうか。
#そのパッケージによると「青空」の6年後だそうですが、かなり時代が
 先のような気がします。「青空」もたまにスポーツドリンクとかDNAとかが出てきて
 渾沌とした感じではありましたが。単に地域性の差でしょうか。
 言語感覚も現代的な感じ。商店街や食堂があったりして村というより町っぽいですね。
 わたしの住んでいる北海道にある町は今でもわりとあんな感じです。
#そして、今度の主人公「輩人」は正士を超える事ができるのか。色々と。
 一番の関心事です。良いキャラクターになるといいなあ。
その2 輩人と文乃のこと
1周しました。あくまでも、とりあえず……
テキスト量が増えたと言う事は要不要を問わず情報量が増えたと言う事で、
正直な所話は全く見えません。
これは何人分かわからないけど、相当な長丁場になるな――。
なし崩しに立花の話が進んだようですが、どうも本人からも蚊帳の外に
置かれているような気配がします。他のキャラクターの様子が見えないのは
当然なのでしょうが……。
昨今のエロゲー事情に疎いのでよくわかっていませんが、
たぶんハッピーエンドっぽい終わり方なのでしょうけれど
そもそもグッド/バッドエンドとかそういう概念があるのかどうか測りかねています。
頑張っていたのは他の人たちで、自分が何かした気もあんまりしないし。
今回の主人公について
輩人のキャラクターも馴染みが薄いので今後の話なのでしょうが、現時点の感想として。
戒田正士というキャラは特にヤマノカミ伝承の話題には完全に部外者で、
全くゼロの状態から関わらなければならず、それでいてミクロな視点から
行動を起こす事で結果的にすべての中心となる存在だったように思います。
それは戒田宗介も同様というかその基本で、似た者親子でした。
今回の九重輩人はおそらくそう仕向けたのでしょうがだいぶ対照的で、
土地への思い入れもなく、行動面から物語に関わる事がほとんどありません。
逆に出自というか出発点としては優遇されており、知らない所でも
ことの根幹として扱われている場合が多いようです。
だからプレイしていてどこか疎外感を抱くのでしょう。
正士がわりとオールマイティで、自己がしっかりしていて思慮深くしかも真正直な所が
前面に出ていたのに引き換え、今回の主人公は他人の面倒を見る余裕もないし
エネルギッシュな性格でもないしでハードル高いなあ、と思っています。
しかし輩人のほうがなんだか女にもてるという。
正直、いまの段階でその辺りの事情は読めないので、他のルートとかで
舞台設定か何かからフォローされるのではないかなあ……されないときついなあ。
今回の八車文乃について
それにしても文乃の協力を得るのは大変で大変で。
「青空」でもたいていのルートでこの人の機嫌を損ねるとイコールバッドエンド行きで、
ある意味最強の敵キャラでありました。理不尽だ。
まあ見る限り、文乃以外のそこかしこでも前作のモティーフを踏襲しつつ
解釈はかなり異なるようなので、完全に同じキャラクターというわけではないようですが。
事前情報でファンサービスというか営業というか、その辺りの強調が過ぎた感があったので
心配しましたが、このぐらいの露出調節で良かったと思っています。
その3 主題歌のこと
3周までしたところで、ちょっとインターミッション。
「果てしなく青い、この空の下で…。」のエンディング曲が
「nikoensis 〜追想〜」 で春紫苑、花言葉は「追想の愛」。
「ReNN」のオープニングは
「Polemonium 〜花忍〜」、花言葉「ここに来て下さい」「お待ちしています」。
エンディングの「miyosotis」は勿忘草、花言葉「真実の愛」「私を忘れないで」。
それで「アトリの空と真鍮の月」オープニング
「Pieris」馬酔木(あせび)、花言葉は「犠牲」「清純な愛」。
エンディングはいまの所命名規則外だけど、まだ全部見てないので
なんかあるかもしれない。
この所の慣例的にだいたい作品の主題に沿ったタイトルと歌詞なんですけど、
「真実の愛」は余計かも。ちょっと読み違えてるかも。
これが終わったらまた「ReNN」をやり直したいです。2kで動くし。
あと、信玄さんの墓前に供えていた南天の花言葉は「私の愛は増すばかり」だそうです。
ごめん全然関係ない話した。
その4 構成のこと
ないかも、と思ってたらちゃんと「(女の子の名前)ルート」みたいなのが全員ぶんあって、
あとグッド/バッドエンドみたいなのがあるらしいです。
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何度も比較して悪いけど、「青空」と本当に色んなところで対照的な造りですね。
「青空」は物語の最初が同じところで、だんだん各キャラの話が進むにつれ
個人的な問題に焦点が当たって行くのですが、本作だと序盤から各人かなり
好き勝手に話を進めてて、最後の大事件で収斂されるという。
それでまだ4周しかしてないんですけど、回を重ねると少しずつメインのお話が
変わってゆくのですね。かなり些細な点なんですけど、少しだけ運命を違える
ポイントがあって、だんだん良い方向に大局が変化して行く。
最初は正直、本当にどうしようかと思いましたけど何周かしてみて
こういう構造がやりたかったのかな、と理解し始めました。
何て言うんだろう、ザッピングとか?そういう感じ?「街」みたいなやつ。
ただまあ、アレです。
各ルート間で整合できてない箇所がかなり目に付きます。
これは仕方ない事なのかなあ。
横目で見た情報によると6本のシナリオのうち最初は「立花・三葉・朝」の3人だけ、
それをクリアすると「砌」(いまここです)、その後「月乃」、最後に「文乃」という
順番が決まっているそうです。段階を踏まないと話が分岐しないの。
必然的に6本ありながら実質3通りの進め方しかないわけなんですが
それにしてはというかそれ故にか、他のシナリオを踏まえた前提で進む話が多いなあと。
たいがいどんな物語にも言えると思いますが、鑑賞者は神の立場なので
それに対して実際にキャラクターが知り得る情報はけっこう少ないはずで、
その辺りを気に留めてかからないと「あれ?この話したの別のルートだったっけ?」
みたいに混乱するので注意です。というか最初から全部気にしないという姿勢も
それはそれでありだと思いますが。
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文乃ルートがまだなので多分に憶測ですが、別に本作が「青空」の文乃ルート後の話だとは
誰も言ってないんですよね。営業上の表ヒロインは雨音だったわけだし。
なんか勘違いしておりました。
まあそれを込みで考えても続投のキャラクターはそれぞれ
ちょっとずつ違った解釈のようですが。個人的な趣向ですけど
「青空」の完全な地続きをやるなら主人公も正士しかありえない訳で、
それを考えるとちょうど良かったのではないかと思いました。
ああでも、これから遊ぶ人がもしいたら老婆心で言っておきますけど、
今回の山神と「青空」のヤマノカミは違う神様っぽいですぜ。
作中でも触れられますが。今回が「IVQ」で前回は「ODW」だったかな(うろ覚え)。
ここがごっちゃになると話がわからなくなります。わたしはなりました。
その5 身勝手に文句をつけたり
ああ、これ良いですね。
進むにつれてやはり、少しずつ運命に修正がかかってくる。
前回もふれましたが、各ルート単体で見るのではなくて6周するの前提なんでしょうね。
あまりこの界隈に詳しくないんで知らないのですが、なんかループものとか言うんでしょうか、
こういう手法の語り口が流行のようで、それに乗っかった形になったのは惜しいですけど。
正直、1周目の時は主人公の輩人が全然好きになれなくて、
こんなやつ絶対惚れねえよと思ってて、まあそれは大局において割と今もそうなんですけど
少しずつ成長が見て取れるようになってきました。
あとは文乃ルート、今日中に読み終えたいです。
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惜しいと言えばの話。まあ完全に主観の好みの話なんですけど。
同じく「ホラー」と銘打ってあるんですけど、この辺りの姿勢はだいぶ「青空」と違いますね。
「青空」では地に脚のついた非日常が程好く混ぜ込まれていて生臭くて、
「嬉しいものは嬉しい、怖いものは怖い」と読み取れたのですが、
「アトリ」はどうも暴力や超常現象の叩き売り状態でなんかもう
幻魔大戦みたいな事になってて、緊張感が全然ないと思います。
なんでもかんでも超能力で原因や結果を説明するのは本としてはかなり乱暴で、
そこの部分には賛同できかねる面が大きいのでした。
あともうひとつこれ系で残念な事で、今回もうしらばっくれるのが不可能なぐらい
クトゥルーのパロディが随所にあって、これは誰のどういう思惑なのか知りませんが
そんな細工をしなくても充分に面白いシーンを書ける人なのに、
もったいないと嘆く事しきり……と思ってたら遂に劇中でイアイア言っちゃってました。
こりゃあもう駄目だ……。
その6 始まりの終わり
実際の所、文乃ルートはほとんど月乃ルートのおまけみたいなもんで
差分の確認には1時間もかからないのでした。
というわけで、「少しずつ良くなって行く」とは書いたものの今回はさほど変化なし。
本作ではエキスパートになったり女達が憂鬱になったりはしないようなので、
これで完結なのでしょう。特にお母さんの神那とか八葉先生とか、最終的に
釈然としない運びも多いのですが。
そも「誰かが救われるという事はそれ以外の誰かが救われないという事」であって
鑑賞者は好みの解釈を受け容れれば良いのだと思います。
でも水石更紗や此花直達が、こんなにも完膚なきまでに本編に関わってこないとは
思っていなかったよ……公式サイトに置いてあるプロローグはなんだったのか。
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文乃については前作よりずっと超然としていて、最後までわからない事が沢山あって
それはそれで良いと思います。明かされない事がある程度明かされないままのほうが
自分は好みのようです。
でも文乃エンディングのアレは蛇足だと思いました。
ゲームが売れたら今後何か別の形で語られるのかも知れないし、
そうなったら当然付き合うつもりですけど、まあ……ないほうがいいかな。
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ひととおり終えてみて、好きなところも沢山あるけど疑問や不満も前作より沢山あるので
しばらく書き散らして行こうかと思います。
そのうち誰かの心にフックして、関わってくれる人がいるかもしれないから。
「青空」の時はネット始めたばかりだった事もあり、
ファンサイトでの他人の活動を横目で見て羨むばかりでしたので。
どうせあと2〜3ヶ月したら半額以下で簡単に手に入ると思うので、
まあ見てて興味が湧いたら遊んでみて下さい。
あーでもそれ言ったら「青空」のほうがずっと安いなあ。
旧版なら2千円ぐらいじゃないだろうか。
個人的には特にボイスも要らないので「完全版」を無理に勧めはしませんし。
あ、もしかして32bitOSで動かないのか?ぎゃあ。